1 繭の保存方法について 碓氷製糸株式会社では、お客さまのニーズに応じて①生 ②乾燥 ③塩蔵で繭を保存し、生糸生産を行っています。今日は塩蔵の処理方法と塩蔵繭から生産された生糸の特性について報告します。
2 塩蔵処理について ①用意するものは、繭、天然海水塩、100㍑のポリバケツ、ビニール袋、木綿の布、輪ゴム または紐、泥粘土 ②100㍑のポリバケツの中にビニール袋を入れ、袋の底に晒木綿の布を敷きます。 ③この上に繭を乗せ、天然の海水塩を振り巻きます。 ④布+繭+塩の順番で8層くらいに積み重ねます。 ⑤中の空気をよく抜いて輪ゴムまたは紐で縛り、泥粘土で密閉し、窒息させ殺蛹しま す。 ⑥7~10日後にポリバケツから繭を取り出し、風乾します。
3 保存状況 7~10日後に繭をポリバケツから出してみると、水分が繭の外へ少ししみ出てていますが、繭からの発蛾も繭の汚れもなく、振りまいた塩が湿っており、高い吸湿効果が見られました。塩蔵は密閉することで殺蛹し、塩は湿度調整のために有効です。なお塩蔵処理に当たっては塩の量により生糸品質に差が出るといわれています。
4 生糸の特性について ①生繭、塩蔵繭から繰製された生糸は、乾繭などに比べ極めて白度が高い。 ②小石丸の塩蔵では、解じょが良好で生糸の強力伸度が優位に出る。一般品種におい ても解除は良い。 ③水蒸気処理の生糸は、強力が高くやや硬直な感触で光沢が悪い。 ④塩蔵繭から繰製された生糸は、伸度、強力、ヤング率ともに高い(下の表のとおり)。
日本シルク学会誌第15巻より |
泥粘土でフタをします |