2021年8月21日土曜日

繭の解じょについて

 初秋蚕の繭出荷が最盛期です。令和3年の初秋蚕の掃立は7月18日、上蔟は8月11日前後、繭出荷が8月20日前後となっています。

 令和3年初秋蚕期に群馬県で飼育されている蚕品種は、夏の暑さに抵抗力のある「なつこ」です。出荷された繭の調査結果は、500g粒数が270粒~280粒(単繭重で1.8g前後)、死にごもりも平年に比べて少なく結繭歩合も80%以上で近年にない好成績です。

 繭の解じょは、上蔟してから吐糸終了までの温度、湿度、気流に大きく左右されます。その関係については、「吐糸営繭中の微気象と解じょ率」のとおりです。選除繭も少なかった群馬オリジナル蚕品種「なつこ」、繭の品質評価はこれからですが、解じょ率についても良い成績が期待されます。

 製糸工場が繭を購入する場合最も重要視するのは、玉繭、内部汚染繭、極小繭などの選除繭が少ないことと、解じょ(繭糸のほぐれ具合)が良いことです。

 繭の解じょとは、繭からの糸のほぐれ具合のことをいいます。解じょは、繰糸効率や生糸量歩合に密接な関係を持っているだけでなくなく、生糸の品質にも大きな影響を与えます。解じょ率の求め方は、一定粒数の繭の繰糸を行い、その繭が終わるまでに接緒した回数(繰られている生糸に糸口の出ている繭を継ぎ足した回数。途中で1回糸が切れた場合は再度糸口を求めて接緒することになるのでこの繭の接緒回数は2回と数えられる)を数えて次の式で計算されます。 解じょ率=(繰糸粒数/接緒回数)×100(%)

 


 




 

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