農家で生産された繭は、営繭をはじめてから2週間くらいで蛾が出てしまうため、製糸工場に運ばれた繭は直ちに乾燥されます。
明治5年に設立された官営富岡製糸場では、蒸気で蛹を殺し、天日や風で繭を乾燥させたそうですが、現在は熱風式バンド型乾燥機(多段)を使って繭を乾燥しています。
乾燥機は、8室に分かれており、最初の部屋は110℃、最後の部屋は60℃の熱風で、約6時間かけて繭を乾燥します。
その後計量され、ベルトコンベアで繭倉庫(蜂の巣倉庫)に運ばれます。碓氷製糸では、蚕品種別、産地別に保管し、高品質で多様な生糸生産を行っています。
また、生挽きの場合には、冷凍庫に繭を保管し、発蛾を抑え、繰糸を行います。
繭の乾燥から貯繭までの工程は次のとおりです。
1 製糸工場に運ばれた繭は、トラックスケールで計量され、出荷伝票と照合します。
2 選除繭歩合、生糸量歩合、解じょ率などの繭の品質を評価するため、サンプルを採取します。
3 繭乾燥機に投入され、長期間貯蔵できるように繭乾燥を行います。農家が出荷する繭を「生繭(なままゆ)」、乾燥した繭を「乾繭(かんけん)」といいます。
4 乾燥が終わった繭は、繭倉庫(蜂の巣倉庫)に保管されます。蜂の巣倉庫は、建物内が蜂の巣のように小部屋に分かれており、蚕品種、蚕期、産地別に繭を保管します。
では、繭出荷から乾繭の貯蔵までの工程を動画でご覧ください。
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