2023年6月13日火曜日

繭掻き

 「よい桑 よい繭 よい生糸」といわれるように、①繭の大きさが揃っていて ②選除繭が少なく ③解じょ(繭糸のほぐれ具合)のよい繭を原料とすることにより、高品質な生糸が生産されます。

繭の大きさを揃えるためには、蚕の経過を揃え、熟蚕が40%位の状態で上蔟する必要があります。 

解じょのよい繭を生産するためには、営繭中の上蔟室の温湿度管理が特に重要です。温度は22度~23度、湿度は60%~70%に保つよう通風換気を図ります。特に湿度が高いと解じょが悪くなるので注意が必要です。(最近の異常気象により上蔟室にエアコンを導入している農家も多くなりました)

選除繭の種類としては、玉繭、内部汚染繭、外部汚染繭、奇形繭、破風ぬけ繭、ボカ繭などがありますが、これらの繭を上繭と一緒に繰糸すると繊度ムラが出たり、節が出たりして、生糸の品質が落ちてしまいます。

選繭は、農家でも製糸工場でも行いますが、この農家では選除繭を徹底して取り除くべく、出荷までに4回の選繭を行っています。また、ライトを効率的に使うなど選繭作業にも工夫を凝らしています。

また、飼育している蚕品種は「ぐんま細」です。これは群馬県蚕糸技術センターが育成した群馬オリジナル蚕品種で、繭糸繊度2.2.デニール、繭糸長1500mで、繊度ムラや節の少ない生糸を作るには最適な蚕品種です。繭掻き作業後の繭調査結果は、500g粒数288粒で蚕品種固有の大きさとなっており、一粒振りによる選除繭(死にごもり)も2粒と好結果でした。6A格生糸を作るのにふさわしい原料繭と思います。

選除繭の種類については次のとおりです。

繭掻きの様子については、動画でご覧下さい。

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