群馬県蚕糸技術センターの「令和3年度成果発表会」において、「遺伝子組換えカイコによる高機能シルク生産」についての発表がありましたので、概要について投稿します。
○高染色性シルクの繭生産と生糸生産 高染色性シルクは染色性が高いとともに、繭糸が超極細という特徴がある。 令和3年度は、2戸の農家が延べ3回、10箱の飼育を行い、生糸が生産された。 下表はその実績である。品種の特性として単繭重は1.5g程度、生糸量歩合や解じょ率はあまり良い成績ではないが、繊度については概ね期待通りとなった。
○遺伝子組換えカイコによる高機能シルクの今後の課題 (1)高染色性シルクは、緒極細であることが繰糸効率を下げてしまう。また、繭が小さいため箱当たり繭生産量が少ない。 (2)カルタヘナ法1種使用に則った取り扱いが必要となる。そのため、蚕室の改修、作業制限、飼育後のクワコモニタリングなどの経費と労力を求められる。 (3)前述の要素は繭担架、生糸単価に跳ね返るため、生糸実需者にとっては原料に大きなコストがかかる。 (4)これらを解決するため、川上~川下までの連携と新たな用途開発により、日本発の新蚕業の創出が期待される。高染色性シルクを生産する繭 |
高染色性シルク繭を使った21中の繰糸 |
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