【育成の背景】
当時、和装絹織物の一層の高級化を図るため、繭糸繊度が従来の和装用より細い中細繊度で、しかも繭糸繊度偏差の少ない繭が要望されていた。育成にあたっては、一般普及品種と比較して、農家や製糸の生産性の劣らないことを目標とした。
【性 状】
全国7カ所の試験研究機関で行われた蚕品種性状調査の結果を見ると、対照品種に比べ5令の飼育日数がやや長く、化蛹歩合は96.5%と高く、繭糸繊度は2.6デニールと細く、繭糸長は1500m以上と長かった。
【繊度曲線】
「世・紀×二・一」と一般蚕品種の繭糸繊度曲線を比較すると、「世・紀×二・一」では最外層から200m付近のピークが認められず、最内層まで穏やかな曲線を描き、細くなっている。また、「世・紀×二・一」は、最も細い最内層部の繊度は一般蚕品種と大差なく、繊度偏差は小さくなり、粒内繊度の変動係数は低くなった。
世・紀×二・一の繭と生糸 |
0 件のコメント:
コメントを投稿