○上州絹星の特性
蚕児の発育は斉一で、虫質も強健で飼育しやすいのですが、普通蚕品種に比べ飼育経過は短く、特に5令期は2日ほど早まり、収繭量は2割程度少なくなります。
中細繭繊度(2.4~2.6デニール)の蚕品種で、織物の強伸度、摩擦抵抗性及び防しわ性にも優れた特性を有しています。
○蛍光黄変色素及び精錬抵抗性セリシンの含有
上州絹星の生糸には蛍光黄変色素が含まれています。また、生糸セリシン2層部には溶けにくいセリシンを含んでいます。これらの存在が染色性に優れ、強伸度、摩擦抵抗性、防しわ性に効果がある要因と思います。
飼育経過は、普通品種に比べ1~3令で1日半程度短く、4~5令も2日程度短い。 化蛹歩合は高く、虫質は強健。 |
繭形は浅いくびれのあるやや長楕円形で、繭色は淡い緑黄色が混ざる。 繭重(約1.6g)、繭層歩合(約19.6%)は、一般蚕品種に比べ2割程度低い。 |
生糸量歩合は17%程度で、一般案品種より低い。繭糸繊度は中細で2.4d~2.6d程度 |
上州絹星の生糸は、全セリシン量が少なく、フィブロインの割合が高い。 セリシンの性状として、精練剤に溶けがたいセリシンを含んでいる。 これらが染色性、摩擦抵抗性、防しわ性に効果のある要因となっている。 |