「赤城の座繰り糸」の繰糸について、ビデオで紹介していきたいと思います。(なお、このビデオは2011年に撮影したものです)
(1)原料繭について 原料繭は繭糸商が供給しています。繭糸商は座繰り糸の品質及び繰糸者の力量に応じて繭のブレンド割合を変えています。ビデオで繰糸している糸の原料は、上繭50%、玉繭20%、中繭30%でした。
(2)煮繭について 鍋煮繭です。1回の煮繭量は400g、煮繭時間はおよそ30分でした。
(3)繰糸について 繰糸器は上州座繰り器です。繰糸中のお湯の温度は75℃~80℃で、糸口が出ないときは高めの温度で繰糸しています。400gの繭の繰糸時間はおよそ1時間で、生糸量歩合は48%でした。
(4)その他 1日当たりの繰糸回数は3回、繰糸量は500g~600gですが、若いときは1日5回で1000gくらい挽いたとのことです。
ビデオを撮影した2011年頃、「赤城の座繰り糸」を挽くおばあちゃんは10名以上いました。4名の方の繰糸を見せていただきましたが、煮繭、繰糸、揚げ返しなどそれぞれ特徴があり、節糸が得意なおばあちゃん、節が少なくきれいな糸が得意なおばあちゃん、「赤城の黒糸」が得意なおばあちゃんなど、個性的な糸を作っていました。 繭糸商のご尽力により「赤城の座繰り糸」の基本技術は若い後継者に引き継がれ、今も「赤城の座繰り糸」は生産され続けています。