日本を代表する夏秋蚕用蚕品種が「錦秋×昭和」です。2019年の蚕種製造数量6,0000箱のうち、錦秋×鐘和は2,896箱で5割近くを占めています。
錦秋×鐘和は、昭和30年にカネボウシルクエレガンスが育成した品種です。日本種と中国種の二元交雑種(実質は日・日×中・中の四元交雑種)で、繭は白色、繭糸繊度は2.8デニール内外です。虫質強健で、高温多湿のとき強健性を発揮するので、夏秋蚕期に多く飼育されています。繭糸長は1,300m内外、繭糸のほぐれもよく、広く国内で飼育されています。
蚕の品種を育成する際、①産卵量が多いこと(蚕種業者) ②虫質強健で繭生産量が多いこと(養蚕農家) ③生糸量歩合が高いこと(製糸業者)など、相反する目標が求められます。65年もの長い間、錦秋×鐘和が飼育され続けてきたのは、各業界に支持され、バランスのとれた蚕品種だと言えると思います。
孵化 |
3令餉食 |
5令餉食 |
営繭 |
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