令和5年5月18日 3令3日目の蚕が稚蚕共同飼育所から養蚕農家へ配蚕になりました。8品種の蚕を飼育しましたが、経過の良く揃っている蚕が配蚕となりました。
配蚕の手順については次のとおりです。 ①コンテナに入る大きさに蚕座面積を調整する。 ②蚕を傷つけないよう蚕座紙を折りたたんで、コンテナに入れる。③温度調整のできる自動車で搬送する。 輸送の限界時間については、3~4時間程度とされており、それ以上遠方に搬送する場合には、輸送試験が必要です。
配蚕された蚕の取り扱いについては次のとおりです。①25度くらいの温度に調整された飼育室に蚕を運び込む。②飼育密度を低くするため、2枚の蚕箔に分泊する(1枚の蚕箔で7,500頭飼育)。③蚕と人工飼料を分けるため、糸網を掛ける(人工飼料を早期に取り除くため)。④初めて与える桑なので、少し柔らかめの桑を大きめに刻んで与える。
群馬県が監修している飼育標準表には、温度、湿度、蚕座面積、給餌量(給桑量)、作業時間、作業内容などが事細かに記載されていますが、蚕の飼育技術は、蚕の経過を揃えるための技術と言っても過言ではないと思います。蚕の経過が揃っているということは ①飼育・上蔟作業が省力化される ②大きさの揃っている繭を生産することができる ③繭の大きさが同じなので、繭糸繊度のバラツキも少なく、高品質な生糸が生産出来る ということになります。